るろうに剣心　追憶編　和月伸宏：プレアデスの夜：SSブログ

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るろうに剣心　追憶編　和月伸宏　[アニメ] [編集]

2011年1月17日更新

検索キーワードを「るろうに剣心　追憶編」してGoogleで検索すると、このページが最初のページにリストアップされます（最後のほうですが）。
それを記念して少し読みやすくしてみました。

第一幕『斬る男』
第二幕『迷い猫』
第三幕『宵里山』
第四幕『十字傷』
評価
星霜編について
薀蓄（うんちく）

今夜のアニメ紹介は、大人が見ても楽しめるアニメシリーズの第二弾です。

本当は２０００年以降のアニメだけに限定しようと思っていたのですが、なかなか納得できるものがないので、その制限を取り去ることにしました。

「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編（ＯＶＡ）」

この物語は緋村剣心が飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）という殺人剣を会得し、病んだ明治の世を変えようとした生き様を描いた作品です。

ＴＶ放映された「るろうに剣心」は少年漫画の枠を超えるものではありませんでした。たとえば、必殺技を叫んで繰り出すところ、おちゃらけた作風や、ありえない怪人の出現など。

しかし、このＯＶＡアニメは原作のコミックともＴＶアニメとも違います。一貫してシリアスで暗い話ですが、見応えのあるものです。bfieldはこのアニメを名作だと思っています。

この話は剣心が飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）を会得するきっかけから始まります。

第一幕『斬る男』

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山道を人買いに連れられた娘たちや子供の心太の一行が野盗に襲われました。心太と一緒にいた娘三人は幼い心太をを守ろうとしますが、三人とも野盗に惨殺さてしまいます。そこに通りがかった飛天御剣流の継承者である日比清十郎が、野盗たちを一瞬のうちに全滅させました。しかし、生き残っのは心太だけでした。そこで、清十郎は心太にこう語ります。

「通り合わせたのも何かの縁（えにし）、敵は討った。恨んでも悔やんでも死んだ人間は蘇みがえらぬ。己が生き延びられたたことだけでもよしとすることだ」こういって彼は去って行きました。

その後、清十郎はこう考えながら現場に戻ります。「飛天御剣流の理（ことわり）に従って刀を振るっても、結局誰一人救えないこともある。俺が確実に出来ることは、犠牲者の骸を葬ってやることぐらいか」

そこには犠牲者や野盗の墓が十字の木で作られていた。そして心太を守ろうとした三人の娘には石の墓が石で作られ、心太はその前にいました。
「野盗だろうと人買いだろうと、死んで仕舞えばただの骸」
三人の娘は幼い心太を救おうとしました。だから心太は、せめて石の墓を作りたかったのです。清十郎はその墓に酒をかけて言いました。
「うまい酒の味を知らんで成仏するのは不幸だからな。俺からの手向けだ」
「ありかとう」
「おれは日比清十郎。剣を少々やる。ぼうず、おまえは掛け替えのないものを守れなかっただけでなく、その三人の命を託された。あまえの小さき手はその骸の重さを知っている。
だが、託された命の重さはその比ではない。おまえはそれは背負ってしまった。自分を支え、人を守る強さを身につけることだ。お前が生き抜いていくために、大切なものを守り抜くために」
「守り抜くために？」
「ぼうず、お前の名は」
「心太」
「やさし過ぎて剣客（けんかく）にはそぐわぬ。お前は今から剣心と名乗れ」
「剣心」
「お前には俺の取って置きをくれてやる！」
こうして、緋村剣心は飛天御剣流の修行を始めることになりました。

動乱の世、剣心は修行の場から、世の中に出て人々を助けたいと清十郎に訴えます。しかし、「飛天御剣流は殺人剣、人の世に出ればお前は利用され、大量殺人者にしてしまうだろう」と清十郎に説得されます。しかし、剣心は忠告をきかずに出て行きます。
「俺の馬鹿弟子は馬鹿なりに、自分の生き方を選んだということだ。純粋がであるが故に、これもまた避けては通れぬ道」

剣心は高杉晋作に拾われ、奇兵隊に入隊することになりました。更にそこで桂小五郎（維新三傑の一人で、後の木戸孝允）に拾われ、暗殺者として天誅（殺人）を繰り返し、人斬り抜刀斎として恐れられるようになります。

１８６４年、京都。祝言を間近に控えた清里明良は、三人で見回りの最中に剣心に襲われます。しかし、剣術の格が違いすぎて、二人は瞬時に切り殺される。しかし、清里は今死ねないと、必死で緋村の左頬に縦に傷を負わせますが、抵抗は虚しいものでした。

剣心はいつものとおり暗殺を行った帰り道、幕府のお庭番（忍者？）に襲われます。死闘の末、お庭番を斬り殺しました。そこに剣心に殺された清里の許婚であった雪代巴（ゆきしろともえ）が現れ、返り血を浴びてこう言います。

「あなたは、ほんとうに、降らせるのですね。血の雨を……」

この出会いはお庭番に仕組まれたものだったのでしょう。

第一幕『斬る男』

第二幕『迷い猫』

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剣心は巴の口を封じるか迷いましたが、気を失った巴をねぐらの宿に連れて行きます。薩長同盟の桂小五郎達は、剣心の存在を秘密にしていました。それなのに、お庭番に待ち伏せされたことから、内通者がいることが発覚します。巴が疑われますが、内通した形跡がないことや、素性が分からないにしても、その当時には良くあることだったので、白と判定されます。しかし、剣心は新撰組にも待ち伏せされるようになります。

桂小五郎は剣心に対して負い目を感じていました。まだ子供であることや、純粋な心を持ち続ける剣心を狂わせてしまうのではないかと。

そこで、桂小五郎は巴に頼みます。高杉晋作という狂刀に「うの」という鞘があるように、剣心という剥き身の刀を納める鞘になってほしいと。

bfieldはこのシーンで、クリント・イーストウッド監督の「許されざる者」を思い出しま
した。

巴は酒場で剣心と話します。

「その傷を目にするたびに思い出します。斬られる人にはどんなものが見えたのかしら？　あなた達は人を幸せにするために人を斬るって言うけれど」
「なんだ」
「人を斬って得られる幸せなんて本当にあるとは思えない」
「毎日いろんなことが元で人が死ぬが、俺は無闇に人を斬っているわけではない」
「つまり、その人にどれだけ生きる価値があるか、計っているのでしょう。しかも、それさえあなたは人に委ねてしまって、言われるままに」
「相手のことを詳しくすれば迷いが出る。世の中を変えるためだ。俺にはそれだけの理屈でいい」

そこで、「池田屋事件」が勃発します。新撰組によって多くの薩長同盟一派が殺され、捕縛
されました。

剣心と巴は新撰組に見つかってしまいます。
「知っていますか？　刀には鞘が必要なのだと」
「何を言っている」
「あなたがいつまで人を斬り続けるのか、わたしは見とどけたい。この目で確かに」

剣心達は難を逃れた桂小五郎に指示されます。大津へ行き、夫婦ものとして身を隠せと。

第二幕『迷い猫』

第三幕『宵里山』

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剣心は大津で巴と暮らすうちに、初めて心の安らぎを感じました。畑を耕したり薬を売ったりしながら。
二人はお互いに愛し合ったように見えました。ところが……
巴は剣心を残して出て行ってしまいます。
剣心は連絡役の飯塚に巴は内通者だと知らされます。

第三幕『宵里山』

第四幕『十字傷』

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精神的にダメージを受けた剣心は、巴の後を追います。そこへ幕府のお庭番が次々と襲い掛かり、剣心は身も心もぼろぼろになります。
そして、お庭番の長との戦いが……

第四幕『十字傷』

ＯＶＡには星霜編があります。これはＴＶアニメとその後編という構成になっていますが、追憶編と同様にシリアスで原作とは違ったストーリーとなっています。
ただ、星霜編はＴＶアニメの詳細を知っていないと分からない内容があること、視聴者を悲しませようという意図がみえみえなことなどから、お勧めできません。ひょっとしたら、監督が違うのではないかと思えるくらい出来が悪いです。

薀蓄（うんちく）

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・新撰組の必殺技に「平突き」といって、刀を水平にして突く技があります。この方法だと、たとえ突きをかわされたとしても、引くときに相手の首を斬ることができるという実践的な技です。ところが、一番隊組長沖田総司の使用していた刀は「菊一文字」だと言われていますが、この刀は反りがしっかりと入ったもので、平突きには向いていません。それは、実践では反りのない刀は使いにくいということだったのではという説があります。
もっとも、菊一文字という古刀を実践で使用したかは疑問視されているところですが。

・剣心のライバルである三番隊組長斉藤一は「るろうに剣心」のなかでも怪しい人物として描かれていますが、史実と照らし合わせても怪しそうです。彼は沖田総司や永倉新八と並んで、新選組最強の剣士の一人といわれていて、永倉は弟子に「沖田は猛者の剣、斎藤は無敵の剣」と語ったらしいです。新撰組に興味がある方は調べてみたら面白いかもしれませんね。

タグ：アニメ